【ASM 36 v2/477】スパイダーマンの9/11号
アメリカ同時多発テロ事件緊急追悼号
事件直後すぐ時事を反映した非常に重い社会派本。
[好きな読み切り号は?]
(他にも何冊か挙げ)
ヴェノム誌作家ドニー・ケイツ氏「スパイダーマンの9/11号(アメリカ同時多発テロ事件緊急追悼号)は信じられない程パワフル。作家J・マイケル・ストラジンスキーと画家ジョン・ロミータ・Jr作。おかしい程あり得ない良本。しかも事件後一か月とかに出版され、(その短期間で)書き上げるだけの勇気を奮い起こせたJMS(*ストラジンスキー氏)、こんなパワフルな作品を生み出したなんて、すべてが僕の理解の範疇を超えてる。
この希望、この美しさ、そしてよく見ればこの不穏さすらも。この本最後の台詞だ…ネタバレでぶち壊したくないから読まないけど、長文を纏めるとこう。『我々をまどろみから目覚めさせたかったんだろう。我々の注意を惹きたかった。そのメッセージしかと受け取った。返信に期待するがいい。そして雷(神のいかづち=報復)に』
いつもこれが本当にありえない不穏さだと思ってたんだけど、特に後から実際何が起きたか知った今となっては、滅茶苦茶妙に恐ろしい」
(*ストラジンスキー氏の美麗文体に哲学を込めた作風が生かされ、非常にメッセージ性の強い半ドキュメンタリー本)
半ドキュメンタリーになっていて泣けるのでテロ事件にトラウマがある方は注意。
表紙は追悼の黒表紙。
現場NYはマーベルヒーローが最も多い都市で、アベンジャーズ、スパイディ、デアデビルたちの街)
『この度本来の予定を変更して緊急速報をお届けします』
スパイディ『北緯40度42分51秒 西経74度0分23秒
(*ワールドトレードセンターの数ブロック手前)
サイレンの音を追うと…』
o8o----------o8o
スパイディ:
…神様…(タワーの崩壊した現場に頭を抱え言葉にならないスパイディ)
『言葉にならないものがある。
理解を越え。
(*神の説く)容赦の一線すら超えたものが』
o8o----------o8o
男性:
(*天から降りるスパイディ=神の象徴に)
『あの時』どこにいた!?
女性:
どうしてこんな酷いことが起きるのを許したの?
(*どちらも災害時人々が天=神へ向ける怒りの問いかけ)
スパイディ:
僕―
(*神の姿は人に見えず逃げ惑う人々)
『僕らヒーローたちは知る由もなかったなんて言えるか?
知る事もできなかった。
想像もできなかった』
o8o----------o8o
スパイディ:
(崩壊した瓦礫の前に呆然と立ち尽くす)
『唯一狂人にしか、こんなこと考え、行動に移し、飛行機を飛ばせない。
正気世界は常に狂人に脆い、こんな所業を思いつくなんて狂人にしかできない』
o8o----------o8o
スパイディ:
『僕らヒーローたちに事前に知ることはできなかった。事前にここに来ることはできなかった。起きるのを止めることはできなかった。
(警察・消防・災害緊急隊と協力しあう現場到着済みヒーローたち)
でも僕らは今ここにいる』
o8o----------o8o
スパイディ:
『砂埃で僕らの姿が見えなくても、僕らはここにいるよ。
慟哭で僕らの声が聞こえなくても、僕らはここにいるよ』
(*あくまで警察・消防の人達が本物のヒーロー。たとえ見えなくてもスーパーヒーロー=神も確かにそこに寄り添い手助けしてるんだ、と)
0コメント